たびさんぽhttps://tabi-sampo.comのんびりたびに出かけようSat, 15 Nov 2025 06:07:57 +0000jahourly1https://tabi-sampo.com/wp-content/uploads/2025/08/cropped-4a332f05ade4ac7bb3c46c472cb5eac8-32x32.pngたびさんぽhttps://tabi-sampo.com3232 東尋坊に来たなら「雄島」へ:静けさと物語に包まれた、福井の神秘スポットhttps://tabi-sampo.com/oshima/185/https://tabi-sampo.com/oshima/185/#respondSat, 15 Nov 2025 06:07:47 +0000https://tabi-sampo.com/?p=185

福井県を代表する観光地といえば、思い浮かぶのが断崖絶壁の東尋坊。でも、そのすぐ近くに、まるで時間がゆっくりと流れているような静かな島があるのをご存じでしょうか。 それが「雄島(おしま)」 旅慣れた人ほど「東尋坊だけで帰る ... ]]>

福井県を代表する観光地といえば、思い浮かぶのが断崖絶壁の東尋坊。
でも、そのすぐ近くに、まるで時間がゆっくりと流れているような静かな島があるのをご存じでしょうか。

それが「雄島(おしま)」

旅慣れた人ほど「東尋坊だけで帰るのはもったいない」と口をそろえる、知る人ぞ知る「神の島」。
観光地の喧噪からほんの数分離れるだけで、凪いだ海と古社の気配に包まれる。
そんな不思議な場所が、実は東尋坊のすぐ隣に。

今回は、雄島を楽しむための3つのポイントをご紹介します。


1.東尋坊から少し足を伸ばすだけ。福井の穴場スポットで心を洗う

東尋坊から車で数分。
朱色の長い橋が海の上へと伸び、その先にぽつりと浮かぶ島が見えてきます。

雄島と本土を結ぶのは、朱塗りの「雄島橋」
ひとたびこの橋を渡り始めると、背後に日常がゆっくり遠ざかっていく。
潮風の音と波のリズムだけが耳に届いてくる。

途中でふと気づきます。
・・・音が消える。
まるで島が歓迎するかのように、静寂が自分の内側まで入り込んでくる不思議な感覚。

橋を渡り切ると、そこに現れるのは立派な鳥居。
ここから先は、自然と神域が重なる“別の世界”。
神隠しにでも遭うのではないかと、少し緊張しながら進みます。

森の中へ足を踏み入れると、湿った土の匂い、苔の深い緑、風が擦れる音。
観光地の「見る」体験ではなく、
五感でじっくり味わう場所が、雄島です。

島内は約30分ほどで周回できますが、急がず、ゆっくり。
ところどころに現れる奇岩・断崖・ゴツゴツとした荒々しい風景。
観光地化された場所とは違った味わいとして楽しむことができます。


2.源義経が奥州へ落ち延びる途中に立ち寄った「ゆかりの地」

画像:源義経(Wikimedia Commons より | Public Domain)

雄島には、歴史ロマンをくすぐる逸話も残されています。

文治2年(1186年)、兄・頼朝に追われた源義経は、奥州・平泉へ向かう道中でこの地に立ち寄ったと伝わります。

義経は島内の安島神社を参拝し、家臣・亀井六郎の兜を奉納。
「一門の武運長久」と「海上安全」を祈願したとされています。

つまり雄島は、義経一行が最後の希望を抱きながら奥州へ向かった道程の一部
彼らが見たであろう海、風、松林のざわめきを、今もそのまま感じることができます。

島の静けさの中を歩いていると、
ふと
「ここで義経はどのような思いで空を見上げたのか」
そんな想像が自然と湧いてきます。


3.「神の島」雄島。海の民が守り続けた信仰の場所

雄島には 安島明神(安島浦三保大明神) を祀る古社があり、
その歴史は白雉年間(650年代)にまで遡ると伝わります。

この神は、昔から海上守護の神として地元の漁師や船乗りに深く信仰されてきました。

かつてこの海域に外国船が侵入した際、
安島明神が霊験を示して退けたという伝承も残り、
文武天皇から3,700石もの社領が寄進されたという記録まであります。

古くは船乗りたちが航海前に必ず参拝し、
神前の矢羽を受けて海の安全を祈る風習もあったほど。

“海を知る人々が畏れ、敬い続けてきた島”

島全体が神域のような雰囲気をまとうのも、この歴史を知ると自然に感じられるはずです。


東尋坊だけで帰るのはもったいない。静けさと物語の島へ。

雄島は派手なスポットではありません。
大きな商業施設も、賑やかな売店もありません。

けれど、
橋を渡る時のあの“音が消える”感覚、
島に漂う淡い神気、
そして義経の物語を胸に歩く時間。

それらすべてが合わさって、
「あの島に行ってよかった」と、後からじんわり効いてくる旅の記憶になります。

東尋坊を訪れるなら、ぜひ雄島にも足を伸ばしてみてください。
その静けさは、旅のラストにそっと残る余韻になることでしょう。

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サンライズ瀬戸・出雲に岡山から乗るなら夜の相棒は「ら・む~マート」で仕入れようhttps://tabi-sampo.com/sunrise/179/https://tabi-sampo.com/sunrise/179/#respondThu, 30 Oct 2025 21:20:31 +0000https://tabi-sampo.com/?p=179

いま大人気で、予約もなかなか取りにくいサンライズ瀬戸・出雲。そんなサンライズに乗れるなら、夜の時間もしっかり楽しみたい。旅の夜に欠かせないのが「夜食とお酒」。 今宵は少しだけ、頭のねじを緩めてみませんか。そう、今くらいは ... ]]>

いま大人気で、予約もなかなか取りにくいサンライズ瀬戸・出雲。
そんなサンライズに乗れるなら、夜の時間もしっかり楽しみたい。
旅の夜に欠かせないのが「夜食とお酒」。

今宵は少しだけ、頭のねじを緩めてみませんか。
そう、今くらいは。


岡山駅から乗り込む夜

岡山駅は、山陰や四国とを結ぶ大ターミナル。
サンライズ号に岡山駅から乗車するという方も多い。

政令指定都市・岡山市の中心駅だけあって、
駅のまわりには商店や飲食店が立ち並び、
巨大なイオンモールまでその存在感を主張している。

しかし、夜も更けるころになると、意外にも開いているお店も少なく
そんなときの“駆け込み寺”こそが、今回紹介する「ら・む~マート」。


サンライズの楽しみ方

サンライズ号の醍醐味といえば、
夜の車窓を眺めながら、しっぽりお酒を飲むひととき。
おつまみをつまみ、流れる夜景を肴にする・・・
あの瞬間を味わうために乗ると言っても過言ではない。

そんな夜の晩餐、何を食べるかは実に重要なテーマ。
「あれも食べたい」「これも飲みたい」
その欲望に応えてくれるのが、私の定番「ら・む~マート」。

惣菜が安い。おにぎりも激安。
陳列棚を見るだけで、なぜか胸が高鳴る。
つい買いすぎてしまうのは、もはや儀式のようなもの。

きっと私のように煩悩まみれの方には、
たまらなく楽しい場所だと思う。

人の欲とは、なんと醜く、そして愛おしいものか。
一晩の楽しみに心躍りながら、財布の紐は緩み、旅の夜に浮かれる。
ケチなくせに買いすぎる謎の現象、
企業の掌で踊らされながらも、その踊りが楽しくて仕方ない。
こんな姿、人様には見せられないと思いながらも、今宵は踊り狂おう。


ら・む~マート

夜23時まで営業しているスーパー「ら・む~マート」。
ディスカウントスーパー・ラ・ムーのコンビニ業態店です。

岡山駅から徒歩10分圏内に2店舗。
かつては駅前すぐにも店舗がありましたが、
残念ながら2025年8月31日をもって閉店してしまいました。

品揃えは、おにぎり・惣菜・弁当・酒類まで一通り。
何よりもその価格の安さ。
コンビニの半額近い商品も多く、
夜食や晩酌の準備にうってつけです。

岡山駅での乗り換えや乗車前の短時間でも利用できるのはありがたいところ。
支払い方法は現金またはグループ独自の電子マネーのみなので注意を。


まとめ

サンライズ号の夜は、食べ物と飲み物の存在で変わる。
安くてうまい「ら・む~マート」で旅の夜を整えて、
心ゆくまで走るホテルの時間を楽みたい。

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【らーめんもり翔】気が付けばまた行きたくなる味【三原市】https://tabi-sampo.com/miharamorisyou/171/https://tabi-sampo.com/miharamorisyou/171/#respondThu, 23 Oct 2025 21:09:41 +0000https://tabi-sampo.com/?p=171

親しみやすいラーメン屋さん カウンターに腰を下ろす。こういったラーメン屋でよく目にする丸椅子に安心感を覚える。照明はやわらかく、どこか懐かしい色をしている。テーブルが2つ、カウンターが数席。まちの中に、昔からそこにあるよ ... ]]>

親しみやすいラーメン屋さん

カウンターに腰を下ろす。
こういったラーメン屋でよく目にする丸椅子に安心感を覚える。
照明はやわらかく、どこか懐かしい色をしている。
テーブルが2つ、カウンターが数席。
まちの中に、昔からそこにあるような店。

壁には整然とのメニューが並べてある。
定番から趣向を凝らしたものまで様々だ。

客層はさまざま。
作業着の男性、休日の女性二人、家族連れ。
みんな自然にその空間に溶け込んでいる。
親しみやすいというより、「ここが自分の場所になる」感じ。


甘めの豚骨醤油

通常のラーメンは豚骨醤油。
ごくありふれた内容だけど、この店のは少し違う。
豚骨の濃厚さに加え、はっきりとした甘みがある。
一口飲むと、肩の力が抜けていくような味。

細縮れの麺は、加水率高めで伸びにくい。
ゆっくり食べても、最後まで美味しい。
そんな麺、そうそう出会えない。

昼どきには、チャーハンの鍋を振る音が絶えない。
その音が、この店の日常をつくっている。


あやしいラーメン

名前が気になって頼んだ「あやしいラーメン」。
見た目は優しい担々麺。辛さは控えめで、まろやか。
スープは少なめで、最後の一滴まで飲みたくなる。
“あやしい”というより、“包み込むような”味だった。


餃子

餃子は、ライスと一緒に食べたくなる味。
カリッと焼かれた皮の中から、甘みのある肉汁があふれる。
口の中で、静かに幸せが広がっていく。


気が付けばまた行きたくなる味

こういうお店は、特別な日じゃなくても行ける。
むしろ、なんでもない日こそ行きたくなる。
気づけば通っている、いつまでも残っていてほしい、そんな店。

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杉乃井ホテルのプール比較:「アクアガーデン」と「アクアビート」https://tabi-sampo.com/suginoi3/153/https://tabi-sampo.com/suginoi3/153/#respondFri, 26 Sep 2025 21:04:02 +0000https://tabi-sampo.com/?p=153

杉乃井ホテルには、2種類のプール施設があります。 どちらも宿泊者は自由に利用でき、タオルや幼児用の浮き具(腕用)の貸し出しもあるため、気軽に楽しめます。ここでは、両方を実際に利用した体験をもとに、それぞれの特徴をまとめて ... ]]>

杉乃井ホテルには、2種類のプール施設があります。

  • アクアガーデン:通年利用可能な屋外型プール
  • アクアビート:夏季限定(2025年は5月31日~9月30日)で営業する屋内型プール

どちらも宿泊者は自由に利用でき、タオルや幼児用の浮き具(腕用)の貸し出しもあるため、気軽に楽しめます。
ここでは、両方を実際に利用した体験をもとに、それぞれの特徴をまとめてみました。

杉乃井ホテル朝焼け 杉乃井ホテル宿泊記:アクセスとお風呂を比較紹介 ダイニング星_朝食 杉乃井ホテルのビュッフェ会場比較

共通無料サービス

  • タオル貸し出しあり(各プールで受け取り可能)
  • 幼児用浮き具(アームリング)貸し出しあり
  • 浮き輪用空気入れ(時間帯によっては行列になる)
  • 脱水機あり(アクアガーデンの脱水機は更衣室奥、棚湯入口付近に設置)

基本的なサポートは十分整っているので、手ぶらでも利用しやすい環境です。
その他、有料で水着や浮き輪の貸し出しも行っています


アクアガーデン

特徴

  • 完全屋外型で、開放感のあるリゾート温泉プール
  • デッキチェアが多く配置され、ゆったりと過ごせる
  • 展望プールからは別府の景色を一望でき、特に夕暮れ時は雰囲気抜群
  • ナイトプールとしても利用可能

設備

  • ジャグジー
  • 塩分濃度を調整した「浮かぶプール」など多様なバリエーション

利用感

  • 全体的にのんびりした雰囲気で、大人がリラックスするのに最適
  • 小さな子ども連れでも比較的安心して過ごせる
  • 更衣室は「棚湯」と共用のため、プールの後にそのまま温泉へ直行できる点が魅力

ワンポイント

全体的に混んでいなかったので、人混みが苦手な人はアクアガーデンがおすすめ
ナイトプールは毎日噴水とプロジェクションマッピングのショーが開催される
ぷかぷか浮かびながらの鑑賞は特別な気分に浸れる


アクアビート

特徴

  • 夏季限定で営業する屋内型プール(屋外遊具エリアもあり)
  • 天候に左右されず利用可能
  • アクアガーデンと比べるとかなり賑やかで混雑しやすい

設備

  • 流れるプール、波のプール、キッズプール
  • 複数種類のスライダー(人気が高く行列必至)
  • 軽食販売コーナーあり

屋外遊具エリア

  • 6~12歳向けの遊具を中心に配置(保護者同伴であれば4~5歳から利用可能)
  • 公園の複合遊具に近い感覚で、小型スライダーもあり
  • 大きなバケツに水が溜まり、一定時間ごとにバシャッと水が落ちる仕掛けは大人気

利用感

  • アクアガーデンに比べてアミューズメント性が高く、子どもから大人まで思いきり楽しめる雰囲気
  • 長時間遊べる内容なので、滞在中の目玉アクティビティのひとつになる

ワンポイント

全体的に混雑しがち
混雑回避には宿泊者なら朝一が比較的すいてておすすめ
または、昼過ぎが意外とすいてることも、前日からの宿泊者が帰り、当日の宿泊者がまだ来ていないタイミングを狙う
遊具コーナーは近くに温泉プールもあるのでゆっくりつかりながら子どもを見守ることができていい環境


まとめ

  • 両方のプールにタオル貸し出しや浮き具が備わっているため、準備の手間は少なく安心。
  • アクアガーデン:落ち着いた雰囲気でリゾート感を味わえる。未就学児との利用にも向いている。
  • アクアビート:アミューズメント要素が強く、子どもから大人までワイワイ楽しめる。

期間中に両方を体験するなら、2泊以上の滞在がおすすめ
1泊だとスケジュールが詰まりすぎて、のんびり楽しむ余裕がないかもしれません。
せっかくなら両方を楽しみたいですね。

杉乃井ホテル朝焼け 杉乃井ホテル宿泊記:アクセスとお風呂を比較紹介 ダイニング星_朝食 杉乃井ホテルのビュッフェ会場比較 ]]>
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杉乃井ホテルのビュッフェ会場比較https://tabi-sampo.com/suginoibuffet/139/https://tabi-sampo.com/suginoibuffet/139/#respondFri, 19 Sep 2025 11:47:25 +0000https://tabi-sampo.com/?p=139

「和ダイニング星 HOSHI」と「ワールドダイニング シーダパレス」 杉乃井ホテルには3つのビュッフェ会場があります。 位置づけとしては、シーダパレスが基本会場、SORAと星HOSHIが上位グレードという形です。 今回は ... ]]>

「和ダイニング星 HOSHI」と「ワールドダイニング シーダパレス」

杉乃井ホテルには3つのビュッフェ会場があります。

杉乃井ホテル朝焼け 杉乃井ホテル宿泊記:アクセスとお風呂を比較紹介 杉乃井ホテルのプール比較:「アクアガーデン」と「アクアビート」
  • ワールドダイニング シーダパレス:全ての宿泊棟の利用者が利用できるスタンダードな会場
  • TERRACE&DINING SORA:宙館宿泊者専用
  • 和ダイニング 星 HOSHI:星館宿泊者専用

位置づけとしては、シーダパレスが基本会場、SORAと星HOSHIが上位グレードという形です。

今回は2泊の滞在で、1泊目に和ダイニング 星 HOSHI、2泊目にワールドダイニング シーダパレスを利用しました。その体験をもとに、両会場を比較してみます。

※夕食会場と朝食会事はセットでの予約です。今回、予約時には両日とも「和ダイニング 星 HOSHI」を選択していましたが、チェックイン時に相談し、2日目をシーダパレスへ変更できました。その際、大人1人あたり2,500円の差額調整(ディスカウント)がありました(調整額は時期や設定によって変動する可能性があります)。


和ダイニング 星 HOSHI

概要

星館宿泊者専用の上位グレード会場。
ガラス張りの大きな窓からは、海抜約220mの眺望を楽しむことができます。
2025年に新設されたばかりで、内装は新しく清潔感があります。

場所

星館の最上階13階にあります。
館内移動だけで済むのは便利ですが、一部のエレベーターは13階まではつながっておらず、混み合う時間帯もありました。

料理

和食を中心としながら、バリエーション豊富な料理が並びます。
特に刺身は新鮮で、ホタテが印象的でした。
和食中心ではありますが、キッズコーナーはじめ子どもも充分に楽しめる内容です。
キッズコーナーには離乳食まで用意されていました。

朝食にはさんまが一尾丸々網焼きされており、季節にもよるでしょうが朝食ビュッフェでお目にしたのは初めてです
また、海鮮丼など普段の朝食ではお目にかかれないようなメニューに特別感があります。

和ダイニング 星 HOSHI 料理一例

和ダイニング 星 HOSHI 料理一例

和ダイニング 星 HOSHI 料理一例

和ダイニング 星 HOSHI 料理一例

ドリンク

  • ビールサーバー(アサヒ、キリン、一部クラフトビール)
  • 日本酒(冷酒のボトルが5種類ほど)
  • ワインはボトルで提供
  • その他カクテルや焼酎もあり
  • ソフトドリンクはファミレスなどにもあるサーバー式
  • 朝食時には各種スムージーなども

アルコールは夜限定です。

雰囲気・サービス

  • おしぼりが使い捨ての紙製ですが、厚手でふわふわ
  • 天井が高く、明るく開放的な空間
  • 料理は片側に長く並ぶ配置で、端から端まで距離があります
  • 席はスタッフの案内制で、眺望の良い席になるかは運次第

ワールドダイニング シーダパレス

概要

全宿泊棟の利用者が利用可能なスタンダード会場。
和洋中の幅広い料理が揃い、世代を問わず楽しめます。

場所

星館と宙館のちょうど中間に位置。客室からは少し歩きますが、「棚湯」や「アクアガーデン」に近く、入浴やプール利用と合わせやすい立地です。

料理

ピザが名物で、生地がしっかりしていて美味しくいただけました。
ほかにも刺身、スペアリブ、ステーキなど満足感のある料理が並びます。
朝食にはシェフが焼き上げるオムレツやプチハンバーグなど、特別感のある一品もありました。

ワールドダイニング シーダパレス 料理一例

ワールドダイニング シーダパレス 料理一例

ワールドダイニング シーダパレス 料理一例

ワールドダイニング シーダパレス 料理一例

ドリンク

  • ビールサーバーと海外瓶ビール(ハイネケン、コロナなど)
  • ワインはサーバーからの提供(テーブルワイン)
  • 焼酎なども用意
  • ソフトドリンクはファミレスなどにもあるサーバー式

雰囲気・サービス

  • おしぼりは一般的な使い捨てタイプ
  • 円形の会場で、外周部と中央に料理やドリンクコーナーを配置
  • 客席等の設備に少し年期が入っている

感想

両会場とも料理やサービスの質は高く、十分に満足できました。
ただし「上位グレード」としての違いは随所にあります。
例えば、おしぼりひとつとっても明確に差別化していますし、刺身な内容など比較すれば一目瞭然です。
雰囲気やドリンクの種類なども含め「和ダイニング 星 HOSHI」の方が数段上という印象です。

しかし、シーダパレスが決して低品質というわけではなく、十二分に楽しめる内容です。
それぞれの特徴を踏まえて選ぶと、滞在がより充実すると思います。

連泊するなら、両方を体験することで変化が生まれ、よりホテルの滞在を楽しめると思います。
ただし、順番はシーダパレスを先に、星HOSHIを後にした方が満足感がより高いでしょう。実際に、同行した子どもも「昨日の方が良かった」と話しており、順番は大事だと痛感しました。

杉乃井ホテル朝焼け 杉乃井ホテル宿泊記:アクセスとお風呂を比較紹介 杉乃井ホテルのプール比較:「アクアガーデン」と「アクアビート」 ]]>
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杉乃井ホテル宿泊記:アクセスとお風呂を比較紹介https://tabi-sampo.com/suginoi1/126/https://tabi-sampo.com/suginoi1/126/#respondFri, 12 Sep 2025 13:22:27 +0000https://tabi-sampo.com/?p=126

大分県別府市にある「杉乃井ホテル」は、九州を代表する大型リゾートホテルです。温泉、プール、ビュッフェ、アミューズメントと、楽しみどころがぎゅっと詰まっていて、子どもから大人まで満足できる施設。今回はその中から「アクセス」 ... ]]>

大分県別府市にある「杉乃井ホテル」は、九州を代表する大型リゾートホテルです。
温泉、プール、ビュッフェ、アミューズメントと、楽しみどころがぎゅっと詰まっていて、子どもから大人まで満足できる施設。今回はその中から「アクセス」と「お風呂」を中心に体験をまとめます。

ダイニング星_朝食 杉乃井ホテルのビュッフェ会場比較 杉乃井ホテルのプール比較:「アクアガーデン」と「アクアビート」

アクセス:鉄道と自家用車どっちが便利?

鉄道利用

最寄りの別府駅には特急が停まるので、遠方からのアクセスも安心。
駅からはホテルの無料シャトルバスが運行されており、所要時間は片道約10分です。
バス待機専用の部屋も用意されていますが、ラウンジのようにくつろぐというよりはあくまで待機スペースといった雰囲気。
便数は多い時間帯で20分間隔ほどですが、繁忙期は一度で乗り切れずピストン輸送になることも。
とはいえ、坂道を登りながらの移動で車窓からの眺めもよく、バス移動そのものが旅の一部として楽しめます。

旅行気分を味わいたい方には鉄道+バス移動がおすすめ。

自家用車利用

一方で、自家用車ならホテルに直接アクセスできるため利便性は圧倒的。特に小さいお子さん連れや荷物が多い場合(浮き輪や水着などプール用品を持参する場合)は車移動が断然楽です。
家族旅行で快適さを優先するなら、車がベストな選択肢と言えるでしょう。


お風呂:「棚湯」と「宙湯」比較

杉乃井ホテルの代名詞ともいえるのが、絶景の露天温泉。
2種類のお風呂「棚湯」と「宙湯」があります。
宿泊するプランによって利用できるお風呂が異なるため、事前に把握しておくとスムーズです。

棚湯

  • ホテルのメインにあたるお風呂で、宿泊者は誰もが利用可能
  • 絶景サウナあり
  • 脱衣所はアクアガーデン(プール)と共用
  • 内風呂より露天風呂が中心
  • 段々に広がる湯船はまさに「棚湯」そのもの
  • 目線を下げればインフィニティ温泉のような眺望
  • 朝日を浴びながら寝転んでお湯に浸かる贅沢体験は格別
  • 男湯は開放感がありすぎて周辺建物から見えているのでは?と感じるほど
  • ロッカーや洗い場の数も多く、混雑時でもゆったり使える

宙湯(宙館・星館の海側宿泊者限定)

  • 棚湯よりお風呂の種類は少なめ
  • 絶景サウナあり
  • 利用できる人も限られていることもあり、お客さんの数は比較的少なく落ち着いた雰囲気
  • 棚湯と同じような段々構造で、山側・海側どちらの景色も楽しめる
  • 屋上にあるため棚湯よりもさらに高い視点からの眺望
  • 小さなお子さん連れや静かに温泉を楽しみたい方におすすめ
  • 星館からは徒歩約10分と少し遠い(館内シャトルバス利用可)

全体感

杉乃井ホテルはとにかくスケールが大きく、複数の建物に分かれています。そのため、移動が多いのも特徴のひとつ。
館内は基本的に屋内通路で移動できますが、エレベーターやエスカレーターを乗り継ぐ必要があり、ちょっとした冒険感があります。

例:星館の客室から棚湯へ
エレベータで1階 → 通路を渡り別館へ → 再びエレベータで1フロア上がる → エスカレータで上階へ → 売店やアミューズメントゾーンを抜ける → さらにエスカレータで上階へ → 棚湯受付 →エレベーターと階段で上階に移動→ 更衣室へ・・・

こうした移動も「非日常」を感じられる一部として楽しめるのが杉乃井ホテルらしさ。

また、ゲームコーナーには10円で遊べるコインゲームもあり、子どもも気軽に楽しめます。

宿泊する館によって利便性も異なります。

  • 移動の少なさやお風呂の利用範囲を考えるなら「宙館」がおすすめ
  • 「星館」は一番最近にリニューアルしてピッカピカだけど館内に温泉がないのが注意点

財布事情と滞在スタイルに合わせて選ぶのがポイントです。


おわりに

杉乃井ホテルは、アクセス・お風呂・館内の過ごし方すべてが「リゾート感満載」。移動の多ささえも一つの体験として楽しめるのが魅力です。

ビュッフェやプールも大きな楽しみの目玉で1泊の滞在では味わい尽くすことは難しいでしょう。

ダイニング星_朝食 杉乃井ホテルのビュッフェ会場比較 杉乃井ホテルのプール比較:「アクアガーデン」と「アクアビート」

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製鉄の街で鉄板料理:小倉名物焼うどんhttps://tabi-sampo.com/yakiudon/114/https://tabi-sampo.com/yakiudon/114/#respondFri, 05 Sep 2025 13:55:01 +0000https://tabi-sampo.com/?p=114

家庭の焼うどんとはひと味違う、小倉の鉄板焼うどん 焼うどんと聞くと、多くの人は家のフライパンで作る、あの身近な一皿を思い浮かべるだろう。キャベツや豚肉、玉ねぎと一緒にうどんを炒め、ソースを絡めてできあがり。そんな手軽でお ... ]]>

家庭の焼うどんとはひと味違う、小倉の鉄板焼うどん

焼うどんと聞くと、多くの人は家のフライパンで作る、あの身近な一皿を思い浮かべるだろう。
キャベツや豚肉、玉ねぎと一緒にうどんを炒め、ソースを絡めてできあがり。
そんな手軽でおいしいとっても魅力的な焼うどん。

しかし、小倉の焼うどんは少し趣が異なる。
鉄板の上でジュ~ジュ~と音を立て、香ばしい匂いが立ちのぼる様子は、日常の食卓とは違う、旅先ならではの体験。


訪れたお店の基本情報

訪れたのは 「本気の焼うどん専門店 きつね」

本気の焼うどん専門店 きつね
  • 住所:北九州市小倉北区魚町1丁目6−13
  • 座席:カウンターがメインだが奥にボックス席あり(4人席が1つとぎりぎり3人席が2つ)
  • 子ども用の食器あり(子連れでも安心)

小倉駅すぐとアクセス良好


製鉄の街と鉄板料理の趣

小倉は古くから製鉄業で栄えた街。
鉄の街でいただく鉄板料理には、どこかこの土地ならではの趣が漂う。
焼きそば用の麺が手に入らなかった時代に、うどんを鉄板で炒めて代わりとしたのが小倉焼うどんの始まりだそうだ。
鉄板の上で立ちのぼる香りやジュ~ジュ~という音に耳を澄ませると、街の歴史や気配がそっと重なってくるように感じられる。

恥ずかしながら、焼うどんが小倉名物とは知らなかった筆者は迷わず訪問を決めた。

鉄板の上で味わう一皿

きつねさんでは焼うどんを熱々の鉄皿にのせて提供
注文は「青じそ焼うどん」

運ばれてきた焼うどんはジュ~ジュ~と音を立て、これ以上ないほどに誘惑してくる。
まず香りから心をつかまれる。
ソースの香ばしさが立ちのぼり、目の前に置かれただけで、自然と箸を伸ばしたくなる。

麺は乾麺から作られているそうだが、ひと口食べるとしっかりとしたコシが感じられた。
麺は平麺で決して太くないがもっちりと意外なほどに感触が返ってくる。
味わいは焼きそばに近く、箸が麺を軽快に口へと運んでいく。

具材はシンプルだが奥が深い。たっぷりのもやしは鉄板の熱で絶妙に火が入り、シャキシャキの食感で食べ進めるたびに軽やかなリズムを奏でる。特に印象的なのはお揚げ。ほんのりと甘みがあり、ソースの香ばしさと重なり合って、他ではなかなか味わえない独特の存在感を放っている。

鉄皿に直接触れた部分の麺はカリッと香ばしく、食感に変化をつけてくれる。
さらに、特製の追いソースをかけると甘みが増し、白いご飯が欲しくなるほどの深みが加わります。

仕上げに散らされた千切りの大葉が爽やかに香り、全体を引き締めてくれるのも嬉しいところ。最後のひと口まで、熱々の鉄板スタイルならではの香ばしさと香りの余韻を楽しむことができる。


家庭の焼うどんとの違い

家庭で作る焼うどんは、手軽さと素朴さが魅力。
一方、小倉焼うどんは鉄板の熱と香りをまとった特別感あり。
家庭版との対比で食べると、その違いは一口ごとに明らかで、パンチ力高め。
コメとも酒とも仲良くなれる。
同じ名前の料理でも、日常と旅先での体験の差が、食べる楽しみを増幅させてくれる。


まとめ:もっと広まってほしいご当地グルメ

小倉の焼うどんは、家庭の一皿とは違う表情を見せてくれる。
鉄板の熱気、立ちのぼる香り、そして耳に残るジュ~ジュ~という音。
そのすべてがこの街の歴史と重なり合い、旅の食体験をより濃いものにしてくれる。

小倉を訪れたなら、ぜひ鉄板の上で繰り広げられる「特別な焼うどん」を味わってほしい。

休館日 森鴎外旧居を訪ねて:小倉と文豪と麦酒 ]]>
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武士の精神を映す日本の心:松本城のそのすがたhttps://tabi-sampo.com/matsumotojo/88/https://tabi-sampo.com/matsumotojo/88/#respondMon, 01 Sep 2025 04:32:28 +0000https://tabi-sampo.com/?p=88

松本の街を歩いていると、視界に飛び込んでくる漆黒の天守。その凛とした姿は、人々の心を静かに落ち着かせてくれる不思議な力を持っている。「かっこいい」「美しい」といった言葉では収まらない、精神に訴えかけてくる魅力。それはいっ ... ]]>

松本の街を歩いていると、視界に飛び込んでくる漆黒の天守。
その凛とした姿は、人々の心を静かに落ち着かせてくれる不思議な力を持っている。
「かっこいい」「美しい」といった言葉では収まらない、精神に訴えかけてくる魅力。
それはいったい何なのか。なぜここまで魅了されるのか。

悠久の歴史の中で

松本城は戦国末期、名将・石川数正と康長親子によって本格的に築かれた。
その後も松平氏、堀田氏、水野氏と城主が移り変わりながら、常にその時代の政治と軍事の舞台に立ち続けた。
まさに戦国の荒波をくぐり抜けた「実戦の城」であり、戦国武士の気迫を映す存在と言える。

明治維新後には廃城令により取り壊しの危機にさらされるが、地元の有志たちの熱意によって奇跡的に保存されたという経緯がある。数百年の変転を生き抜き、なお毅然とした姿をとどめるその姿は、単なる史跡を超え、「不屈の武士」を思わせるカッコよさにあふれている。国宝として今日に残る松本城は、まさに「生きてきた城」であり、歴史そのものの風格をまとった存在だ。

なお、現存する天守のうち国宝に指定されているものはこの松本城を含め5城のみである。

どの角度から見てもまるで絵画

松本城の最大の特徴は、黒漆の下見板で覆われた外観。白い漆喰との鮮烈なコントラストから一部では「烏城」とも呼ばれている。その漆黒の天守が青空や雪景色、桜の花と調和する姿は、まるで四季折々の絵画のようだ。
さらに水堀や赤い橋が黒い天守を引き立て、訪れる人の目を奪う。五重六階の均整の取れたプロポーションは、どの角度から眺めても破綻がなく、写真映え以上に心を揺さぶる存在感を放っている。
まるで、見られることに絶対の自信を抱いているような、堂々たるたたずまいはいつまでもその場にとどまりたくなるような感動を与えてくれる。

現代に通じる武士の精神

松本城の「カッコよさ」は、単に外見の美しさにとどまらない。新渡戸稲造の『武士道』に描かれた武士の精神と重ねると、その魅力は一層際立ち、現代に生きる私たちにも深く響く「精神の象徴」として、その存在感を放っている。

黒と白の鮮やかな対比は、「義」を貫く揺るぎない強さを思わせる。新渡戸稲造が武士道の中心的な柱とした「義」とは、卑劣なことや曲がったことを許さず、正しいと判断したことを断じて行う決断力であり、武士道において最も大切な徳目である。スポーツにおけるフェアプレイの精神にも通じ、損得勘定で判断を鈍らせないという揺るぎない信念を意味する。松本城のコントラストは、まさにこの「正しいこと」に対する武士の毅然とした態度を象徴しているかのようだ。

また、その堂々たる佇まいは、「勇」の精神を体現している。「勇」は「義」を理解した上でそれを実行する行動力を意味し、真の勇気は、どんな危険や災難が降りかかろうとも常に心穏やかで冷静さを保ち、決して動じないこととされた。戦場にあっても冷静沈着で、破壊的な大惨事の中でも落ち着きを保ち、嵐の中でも笑みを浮かべ、命の危険が迫っても詩を詠むことができるほどの心の余裕。松本城の微動だにしない威容は、危急の際にも泰然自若たる武士の精神性を雄弁に物語っている。

そして、四季の移ろいと調和するその美しさは、「仁」と「礼」の心を偲ばせる。 「仁」は人間としての器の大きさを示す徳目でもあり、 また「礼」は、そうした相手への思いを行動で表すための作法であり、うわべだけでなく必ず真心を込めることが本質とされている。
松本城が自然の美と一体となる姿は、武士道が単なる武力だけでなく、他者や自然との共生、調和を尊び、優しさや人間性をも重んじた精神を美学的に表現していると言える。

数百年という時を超えてもなお雄々しく立ち続ける姿は、「誠」と「名誉」の象徴に他ならない。「誠」とは、言ったことは必ず実行する「有言実行」の教えであり、「武士に二言なし」という言葉が示す通り、自分の言葉に命をかけるほど大切にされてきた。人に見られていなくても約束やルールを守るという、現代日本人の行動規範の根底にも通じる。 松本城の時を超えた不変の存在感は、武士道の普遍性と、その教えが現代まで力強く受け継がれている信頼性を、まさに体現しているかのようである。

松本城は、まさに一人の理想的な武士が、時代を超えてそこに生き続けているかのような存在に感じられ、日本人の心の奥底に息づく武士道の精神を、現代に伝える力強い象徴と言えるだろう。

日本人の心と松本城:だから心惹かれる

日本人の道徳観の根底には、武士道の精神が息づいている。
義を貫く厳しさ、勇気をもって困難に立ち向かう姿勢、仁と礼をもって人や自然と調和する心、そして名誉と誠を大切にする生き方。そうした価値観は、松本城の黒く引き締まった外観や、四季折々の美しい姿に重ねて感じ取ることができる。

松本城に立つと、ただの観光地ではなく「武士の精神を宿した城」としての風格を感じる。
厳しさと優美さ、力強さと調和。そのすべてを備えているからこそ、私たちは松本城に心惹かれるのだ。

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森鴎外旧居を訪ねて:小倉と文豪と麦酒https://tabi-sampo.com/ougai/77/https://tabi-sampo.com/ougai/77/#respondWed, 27 Aug 2025 14:29:13 +0000https://tabi-sampo.com/?p=77

第3木曜日には気をつけろ 「ふらっと立ち寄ったら定休日だった」旅先あるあるの典型を、小倉の森鴎外旧居でやらかす。まさかの第3木曜日定休。入口まで来てようやく気づく自分に呆れながら、悲しみを胸に抱きつつ、苦し紛れの外から写 ... ]]>

第3木曜日には気をつけろ

「ふらっと立ち寄ったら定休日だった」
旅先あるあるの典型を、小倉の森鴎外旧居でやらかす。
まさかの第3木曜日定休
入口まで来てようやく気づく自分に呆れながら、悲しみを胸に抱きつつ、苦し紛れの外から写真をぱしゃり。

陽光の下で汗をだらだら流しつつ来た道を戻ることに、これもまた「次回の楽しみ」という旅の余白。
本当は建物の中を紹介したかった。
小倉にもう一度来る理由ができたのだと、自分を慰め、納得させる。

森鴎外旧居

駅前から続く鴎外通り

小倉駅前の大通りから旧居の方を振り返る。
地面には「鴎外通り」と彫られている。
通りの両脇には飲食店が軒を連ね、夜にはおおいに地元の人でにぎわうのだろう。
この街の生活と文学が、自然に重なり合っているように感じられる。


森鴎外と小倉の縁

ところで、なぜ森鴎外の旧居が小倉にあるのか。
森鴎外が小倉に関わったのは、第12師団軍医部長として赴任した1899年6月から1902年3月までの約3年間
赴任当初、鴎外はこの人事を「左遷」と感じ落胆していたと記録されているが、文壇活動を控える一方でフランス語や禅思想を学び、歴史や近代観に関する随筆を執筆するなど内面的な成長を遂げる。
徴兵検査の視察や史跡訪問を通じ、社会の周縁や底辺に生きる人々への眼差しも育まれ、この経験が後の史伝作品や文学観に大きく影響したとされる。
1902年3月、鴎外は東京へ転任し新妻とともに生活を移すが、小倉で過ごしたこの3年間は、公的挫折と自己研鑽が入り混じった、彼の人生にとって重要な時期だった。
小倉の旧居はその時代の住まいで、当時の鴎外の生活に思いを巡らせることができる貴重なものといえる。


文豪の姿を重ねてみる

舞姫

せっかくなので、改めて『舞姫』を読み返してみる。留学先のドイツでの経験が色濃く反映された作品であり、近代日本人が「西洋とどう向き合うか」という葛藤を描いたもの。
筆者の人物像や背景を考えると、作品の持つ印象が少し変わってくる。
近代における日本男児の生き様に思いを馳せる。
背筋も伸びる。
自分の人生を振り返ると、あまりに対照的でおまぬけだ。


鴎外とビール

鴎外といえば軍医、文豪そして実はビール好きだそうだ。
ドイツ留学中に出会ったビールにすっかり魅せられ、日本に帰ってからもよく愛飲していたと伝えられている。
ひときわ疲れ果てた日はビールで心も癒したことだろう。
そんな鴎外の姿を思うと、ちょっと親近感も湧いてくる。

旧居を後にして、小倉駅近くの焼うどん屋に腰を下ろす。
グラスを掲げて「乾杯!」。
かの文豪と酒を交わしているような気になりとても気分がいい。
もう酔ってしまったか。

焼うどん 製鉄の街で鉄板料理:小倉名物焼うどん ]]>
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旅先で死んだときに知っておきたいことhttps://tabi-sampo.com/shindatoki/63/https://tabi-sampo.com/shindatoki/63/#respondWed, 20 Aug 2025 13:43:49 +0000https://tabi-sampo.com/?p=63

旅をしているときに「ここで死んだらどうなるんだろう」と考える。実際、旅の途中で亡くなる人は毎年一定数ようで、例えば海外旅行中に亡くなる日本人は年間250~300人程度(外務省統計)、国内でも山や海、交通事故などで「旅の終 ... ]]>

旅をしているときに「ここで死んだらどうなるんだろう」と考える。
実際、旅の途中で亡くなる人は毎年一定数ようで、
例えば海外旅行中に亡くなる日本人は年間250~300人程度(外務省統計)、国内でも山や海、交通事故などで「旅の終着」を迎える人は少なくない。

いざ旅先で死んでしまったときに途方に暮れぬよう、あらかじめ頭の中を整理しておく必要はあるだろう


1.遺体が見つからない場合

これはある意味シンプルだ。
そのまま土にかえり、その土地とひとつになる。
山なら木の根に絡まり、海なら魚のエサとなり、砂漠なら風に混じって吹き飛ぶ。
究極のローカル体験ともいえる。
病的な旅人なら、最高の旅の終わり方ととらえる者も、あるいはいるかもしれない。

ただし現実には「行方不明者」として警察の捜索が始まり、7年経つと失踪宣告で法律上死亡とみなされる。
失踪宣告をする者がいればの話しだが。(民法30条、災害・事故の場合は短縮あり。)
相続なんかが絡むと親族はしばらくやきもきしそうだ。


2.遺体が見つかる場合

発見されてしまうと、人間社会の仕組みが動き出す。

(1)身元が不明

遺留品などでは身元の特定ができなかった場合。

警察が「身元不明死体」として扱い、指紋・DNAが照合される。
それでもわからなければ「行旅死亡人(こうりょしぼうにん)」と火葬・埋葬され、その後、身元特定のため告示される。
旅人は最終的に、その土地のお寺や合葬墓に「永住」する。

その費用は税金で賄われるため、生前のうちにしっかり納税しておくことがマナーと言える。

(2)身元が判明

遺留品などで身元が判明した場合はここでさらに分岐する。

  • 親族が対応しない(または親族がいない)
    行政が火葬・埋葬を行い、遺骨は保管後に合葬墓へ。旅の果てに知らない町へ永住することになる。
    身元が不明の場合と変わらないが心境は複雑だ。
  • 親族が対応する
    最寄りの自治体に 死亡届 を提出し(提出先は死亡地・本籍地・届出人の所在地いずれでも可能)、火葬許可を得て荼毘に付される。
    遺骨は親族のもとへ帰還し、最終的には「自宅」に帰ることとなる。
    家に着くまでが遠足というが、ここで旅路を終えることがようやくできるわけだ。

3.少し気になること

  • 宿泊中に亡くなればホテルは「延泊」ではなく「警察到着まで現状保存」扱い。
    ありがたいがホテルはいい迷惑だろう。
  • 海外なら日本大使館・領事館が現地当局と連携し、死亡証明や遺体搬送をサポート。
    ただし搬送費は数百万円かかることも。(航空機のファーストクラスで帰国する方がお得)
  • 国内なら「死亡届は旅先の市役所でも出せる」ので、親族はまず現地へ駆けつけることになる。

4.おわりに

崖の上

結局のところ、旅先で死ぬことはいくら事前に考えたところで「究極の他力本願」となる。
死亡届を出すのは結局他人、火葬の許可を出すのも他人。
最後は必ず「誰かの手続き」によって、自分の旅が正式に終わるのだ。

だからこそ、生きているうちは気楽に旅を続けるのがいい。
どうせ最後は、役所と親族と地元のお寺が、きちんと片づけてくれるのだから。

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