コカ・コーラ広島工場見学レポート:知るほどに味わい深い体験
コーラ 好きですか?
夏のある日、広島県三原市にある コカ・コーラ ボトラーズジャパン広島工場 を訪れました。
普段何気なく飲んでいるコカ・コーラ
工場の扉をくぐると、清潔で整然とした空間
床に至るまでぴっかぴか
長年世界中で親しまれてきた飲料を扱う現場の丁寧さを、ひと目で感じることができる。
工場見学は予定約80分。映像や体験展示を交えたコースは実働60分ほどといったところ
子どもから大人まで飽きずに楽しめる構成。
見学の途中で感じたのは、単なる製造工程の紹介にとどまらず、細やかな工夫や努力が随所に表れていること。
普段何気なく口にしているコーラも、こうして作られる過程を知ると、少し特別に感じられます。
展示には歴代ボトルやパッケージがずらりと並び、時代の流れを映すタイムカプセルのよう。
特に過去のボトル展示からは、歴史とデザインの進化を自然に感じ取ることができ、ここで見たボトルの変遷が
コカ・コーラがコカ・コーラたる所以を物語っている。
見学の締めくくりは、冷えたコカ・コーラやその他飲料の試飲。
炭酸入りだけでなく、炭酸の入っていない飲料やコーヒー飲料も提供され、家族それぞれの好みに対応してくれている。
また、この工場は平成30年の西日本豪雨でそれまでの本郷工場が被災した後、復旧を経て現在の広島工場へ移設されました。
被災と復旧の歴史を知ると、この整然とした空間の意味がより深く感じられます。
そして、今も変わらず商品を提供いてくれている方々への感謝の気持ちが自然と湧いて出る。
なお、製造ラインや映像資料は撮影禁止なので注意が必要です。
見学は 事前予約必須、公式サイトから申し込めます。車でのアクセスには駐車場も完備されています。
コーラ誕生からボトル誕生前夜まで:形になるブランドの物語

広島工場で目にした昔のボトル展示を思い返しながら調べてみると、コカ・コーラは1886年にアメリカの薬剤師ジョン・S・ペンバートンが炭酸シロップを作ったことが始まりだそうです。
当初は薬局で提供される“健康飲料”のような存在で、地元の人々の間で少しずつ人気を集めていたとのこと。
展示されていた初期の瓶は直線的な形状で、私たちがよく知る曲線のボトルとはずいぶん印象が違うものも。
模倣品も多く出回る中で、手に取った瞬間にコカ・コーラだとわかる独自のデザインが求められるようになったそうです。
工場の展示では、1915年に登場した コンツァーボトル についても触れられていました。
実際にボトルの形を間近で見ると、単なる容器を超えて時代の工夫やブランドの個性を体現していることが伝わってきます。
こうして形になったボトルが、その後のデザイン進化の土台になったのだと感じました。
コーラの歴史年表
年代 | 出来事 |
---|---|
1886年 | ジョン・S・ペンバートンが炭酸シロップを開発。薬局で“健康飲料”として提供開始。 |
1894年 | 初めて瓶詰めで販売。直線的な瓶が使用される。 |
1915年 | コンツァーボトル誕生。握りやすく、手に取った瞬間にコカ・コーラと分かるデザインに。 |
ボトル進化史:時代を映すデザインの物語

1915年の コンツァーボトル は、その独特な曲線で瞬時にコカ・コーラだと分かるデザインとして生まれました。
以前の直線的な瓶と比べると、握った感触や手に収まる形状にも工夫が見られます。
その後もボトルは進化を続け、素材や容量、印刷技術の変化に合わせて微調整されてきました。
ガラス瓶から軽量化されたペットボトルへの移行や、ブランドロゴの改良など、時代のニーズや利便性を反映したデザインの変化が随所に見られます。
展示で順に眺めると、ひとつひとつのボトルが単なる容器以上の意味を持ち、飲む人にブランドの歴史や信頼感を伝えていることが実感できます。
こうして積み重なったボトルデザインの歴史が、現在私たちが手にするコカ・コーラの形を形作っているのだと感じました。
ボトル進化史年表
年代 | ボトル・パッケージの変化 |
---|---|
1915年 | コンツァーボトル誕生。ブランドアイデンティティ確立の第一歩。 |
1950年代 | ガラス瓶デザイン微調整。ラベル印刷技術向上。 |
1970年代 | 軽量化されたガラス瓶、紙ラベル採用。デザイン洗練化。 |
1980年代 | プラスチックキャップ付きボトル導入。持ち運びやすさ向上。 |
1990年代〜2000年代 | ペットボトル普及。容量・形状バリエーション拡大。 |
現代 | 省資源・軽量化・ロゴ最適化。世界的に統一感あるブランドデザインに。 |
まとめ:体験から見えてくるコカ・コーラの魅力

広島工場での見学を振り返ると、普段何気なく飲んでいるコカ・コーラにも、長い歴史と細やかな工夫が詰まっていることが改めてわかります。
工場内の清潔さや整然としたライン、過去のボトルやパッケージの展示を通して、ブランドがどのように時代と向き合い、進化してきたかを肌で感じることができました。
特にボトルの進化史を追ってみると、デザインが単なる見た目ではなく、飲む人に安心感や親しみを伝える大切な役割を持っていることに気づきます。
シルエットを見ればそれだとわかる。
味やのど越しまで脳裏に浮かんでくる。
初期の直線的な瓶からコンツァーボトル、そして現代のペットボトルまで、それぞれの形が時代や技術、ブランドの想いを映しているのです。
見学を通して感じたのは、コカ・コーラの魅力は味やデザインだけでなく、歴史や企業努力を含めた総合的な体験にあるということ。
工場で目にした一つひとつの展示や工程が、ブランドの信頼感を支え、日常の飲み物としての価値をさらに高めていると感じました。
普段の一口のコーラも、少し特別に思えるようになる。
そんな体験ができる工場見学だと思います。