【広島市南区】街を照らす赤ちょうちん。キレ冴え渡る醤油豚骨と夜の憩い「こうちゃん」の中華そば

広島駅のほど近く、夜の街を歩いていると、遠くからでもひと目でわかる赤い灯りが目に入る。

暗がりの中に煌々と浮かび上がる赤ちょうちんと赤のれん。その吸い寄せられるような温かさに、羽虫のように誘われて、お店の戸を開く。

今回訪れたのは、広島市南区的場町にある老舗「中華そば こうちゃん」。

鋭角のカウンターと、静かな夜

のれんをくぐると、店内は厨房をぐるりと囲む鋭角にとがったカウンター席。入店したときには先客が一人、静かに杯を傾けておられました。その雰囲気を壊さないよう、少し離れた席へと腰を下ろします。

今回の訪問は平日の割と早い時間帯。このお店のピークタイムはもう少し後のようで、静かで落ち着いた雰囲気が店内には漂っていました。

ふと店内を見渡せば、壁には年季の入ったメニューの札がズラリ。看板の中華そばやビールはもちろんのこと、セルフで楽しめるというおでんや牛バラなど、お酒を飲むにはまったく事欠かない魅力的なラインナップが揃っていました。

クラシックラガーで喉を潤す、心地よい時間

とりあえずビール(700円)を注文。

「ビンにしますか?ジョッキにしますか?」という問いかけに、「ビンで」と反射的に答え、さらに「キリン、アサヒ、サッポロがあるけどどれにする?」と尋ねられ、今度は少し考えて「キリンをお願いします」。提供されたクラシックラガーを手尺でグラスに注ぎ、ぐっと流し込めば、苦みと重厚なコクが五臓六腑にしみ渡ります。

店内の雰囲気に浸りながらちびちびとビールを楽しんでいると、おひとりのマダムが入店して来られました。 おそらくはかなり昔からこの界隈にお住まいとお見受けしたところ、店主との何気ないやり取りや手慣れた仕草から、このお店が長年地域に根差し、地元の人々に深く愛されていることが伝わってきます。

キレ冴え渡る、味強めな「醤油豚骨」

ビールをいくらかいただいたところで、いよいよ主役の中華そば(900円)が登場。

運ばれてきた丼からは、かぐわしい醤油と豚骨の香りが立ち上ります。一見して一般的な広島ラーメンの流れを汲んでいるように見えますが、スープを一口味わってみるとその違いに気づきます。

よくある広島ラーメンのまろやかな甘みとは一線を画す、かなり「キレ」のあるキリッとした味わい。濃いめの醤油感と豚骨の旨味が絶妙なバランスで主張し、お酒を飲んだ後の少しサボり気味な舌にガツンとダイレクトな衝撃を与えてきます。飲んだ後でもしっかり美味い、締めのために最高の仕事をする一杯です。

具材は標準でもやしとネギが多めに盛られており、シャキシャキとした食感が良いアクセントに。そしてチャーシューは、脂がほどよくとろけ、肉質がほどける豚バラ系。口の中にフワッとおさまり、キレのあるスープと極上の相性を魅せてくれました。

夜遅くまで、街を照らし続ける場所

お腹も心も満たされて店を出ると、夜風が心地よく頬をなでる。 振り返れば、赤ちょうちんが夜遅くまで街をこうこうと照らし続けています。

ふらりと立ち寄り、美味しいお酒とキレのあるラーメンで一日を締めくくる。 地元の人々にもよそものにも温かい「こうちゃん」は、今夜も変わらず街の安心感として灯り続けています。

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